COPD
COPD

COPD(シー・オー・ピー・ディー、慢性閉塞性肺疾患)は、主に喫煙によって肺に慢性的な炎症が起こり、呼吸がしにくくなる病気です。長引く咳や痰、息切れといった症状が特徴で、進行すると日常生活にも大きな支障をきたします。世界的にも患者数が多く、日本でも高齢化や喫煙の影響により年々増加しています。早期発見と適切な治療により進行を抑え、生活の質を維持することが可能です。
COPDの最大の原因は喫煙です。タバコの煙に含まれる有害物質が長期間にわたり気道や肺胞を傷つけることで、炎症や破壊が進み、呼吸機能が低下します。
その他の原因には以下があります。
特に長年喫煙を続けている方や、職業的に粉じんを吸いやすい環境で働いている方は発症リスクが高くなります。
COPDはゆっくり進行するため、初期の段階では「年のせい」「体力が落ちただけ」と見過ごされがちです。代表的な症状は以下の通りです。
進行すると階段や坂道だけでなく、平地の歩行や衣服の着替えなど日常生活の動作でも強い息切れを感じるようになります。
COPDを診断するためには、症状の聞き取りとあわせて以下の検査を行います。
残念ながらCOPDを完全に治す方法はありません。しかし、禁煙をはじめとした生活習慣改善と薬物治療によって進行を抑え、症状を軽減することが可能です。
禁煙
治療の第一歩は禁煙です。喫煙を続ける限り肺の機能低下は進みます。当院では禁煙外来を設け、ニコチン依存症治療薬やカウンセリングを組み合わせてサポートしています。
薬物治療
吸入薬が中心です。
長時間作用型気管支拡張薬(LABA、LAMA):気道を広げ、息切れを改善します。
吸入ステロイド薬(ICS):炎症を抑えるため、症状が強い場合や喘息合併例に使用されます。
配合薬:複数の作用を持つ薬を組み合わせた吸入薬もあります。
呼吸リハビリテーション
適度な運動や呼吸法の指導を通じて体力を維持し、息切れの軽減を目指します。
酸素療法
進行した患者さんでは、在宅酸素療法(HOT)が必要になることもあります。携帯型酸素ボンベを使用することで外出も可能です。
治療とあわせて、日常生活の工夫も大切です。
COPDは呼吸器の病気であると同時に、全身に影響を与える病気です。
これらを予防・早期発見するためにも、定期的な受診が重要です。
COPDは主に喫煙が原因となる慢性の呼吸器疾患で、進行すると生活に大きな影響を及ぼします。しかし、禁煙をはじめとした生活習慣の改善と薬物治療、リハビリを組み合わせることで、症状をコントロールし、生活の質を保つことができます。当院では患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療を提案し、継続的なサポートを行っています。咳や痰、息切れが長引く方、特に喫煙歴のある方は早めの受診をおすすめします。
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