どんな検査?
スパイロメーターは「肺活量(肺の大きさ)」や「1秒量(1秒間にどれだけ息を吐けるか)」を測定する機械です。気管支が狭くなっていないか、肺が硬くなったりタバコで壊れていないかを調べることができ、「気管支喘息」や「COPD」「間質性肺炎」の診断に有用です。特にCOPDでは診断に必須の検査となります。
呼吸器内科で行う検査

当院では、肺や気道に関わるさまざまな症状や疾患の診断を行うために、呼吸機能を評価するための専門的な検査を実施しています。咳、息切れ、発熱、喉の違和感などの症状がある場合には早期に適切な検査を受けることで、正確な診断と効果的な治療につながります。ここでは長引く咳や喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、禁煙治療などに必要な代表的な6つの検査機器についてご紹介します。

(チェスト社HP)
スパイロメーターは「肺活量(肺の大きさ)」や「1秒量(1秒間にどれだけ息を吐けるか)」を測定する機械です。気管支が狭くなっていないか、肺が硬くなったりタバコで壊れていないかを調べることができ、「気管支喘息」や「COPD」「間質性肺炎」の診断に有用です。特にCOPDでは診断に必須の検査となります。
肺に入る空気の量
一気に吐き出せる空気の量
最初の1秒間に吐き出せる空気の量(気管支の狭さの指標)
鼻をクリップで止め、専用のマウスピースをくわえて行います。スタッフの指示に従って大きく息を吸い込み、一気に吐き出すなどの呼吸を繰り返して測定します。
※当院のスパイロメーターはモストグラフ検査と同じ機械で行います。

(チェスト社HP)
喘息や咳喘息の患者さんでは、気道にType2と呼ばれるアレルギー性の炎症が起こる事が多く、その炎症が一酸化窒素(NO)の産生を増やします。呼気NO検査では、NO濃度を測定し、Type2気道炎症の有無や程度を評価します。
マウスピースをくわえ、画面の指示に従って約10秒かけてゆっくり息を吐くだけで測定できます。5~6歳くらいのお子さまから検査が可能で、アニメーションを見ながら楽しく検査できます。

(チェスト社HP)
モストグラフは、呼吸のしにくさ(呼吸抵抗)を測る検査機器です。この検査は普通(安静)の呼吸で気道の状態を調べる検査なので、思いっきり吐く必要のあるスパイロメーターが辛いという患者さんにも適しています。通常の肺機能検査が難しいお子さんや高齢者にも安全に行う事が出来ます。
マウスピースを口にくわえて普段通りの呼吸をするだけです。音波を利用して呼吸抵抗を測定します。結果は3Dグラフィックで表示され、色分け(緑=正常、黄色→赤→青=異常)されるので視覚的にわかりやすいです。


(チェスト社HPより)

(チェスト社HP)
鼻腔通気度検査は、鼻の通りやすさ(鼻腔抵抗)を数値化して調べる検査です。鼻づまりがあると睡眠中に呼吸がしづらくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群の悪化要因になることがあります。また、CPAP治療を行う場合、鼻の通りが悪いとマスクがうまく使えず治療の継続が難しくなることがあります。
専用の機械に鼻を当て、ゆっくり呼吸をするだけで測定できます。数分程度で終わり、痛みもなく、小さなお子さんから大人まで安心して受けられる検査です。
※すでにCPAP治療を受けている方は保険適応外になります。
| 0.75 Pa/cm³/sec 以上 | 高度鼻閉(中等度から高度な鼻閉が両側にあるもの) |
|---|---|
| 0.50 Pa/cm³/sec 以上 | 中等度鼻閉(一側の頻回または高度な鼻閉、他側は十分または不十分な通気性を保っているもの) |
| 0.25 Pa/cm³/sec 以上 | ほぼ正常から軽度鼻閉(鼻閉なし、あるいは軽い一側または両側の鼻閉、あるいは間欠的な症状のあるもの) |
| 0.25 Pa/cm³/sec 未満 | 正常(完全に通気性良好) |
(内藤健晴,宮崎総一郎,野中 聡.鼻腔通気度測定法ガイドライン.日鼻科会誌 2001;40:327- 31)

禁煙外来で使用する検査機器で、喫煙により体内に取り込まれた一酸化炭素(CO)の量を呼気で測定します。
息を吸った状態で20秒間息を止め、筒に向かってゆっくり吐き出します。測定器に表示された最高値が結果です。

胸部レントゲンは、X線を使って胸の中の臓器や骨の状態を映し出す検査です。主に肺や心臓の異常を調べるためによく行われる検査です。当院では最新のデジタルラジオグラフィー(DR)システムを導入しており、従来のフィルム撮影よりも少ない放射線量で、撮影後すぐに画像を確認できます。
上半身の金属類(ネックレス、ボタンなど)を外し、必要に応じて検査着に着替えていただきます。撮影は立った状態で行い、胸を撮影板に近づけて、指示に従い深く息を吸って止めた状態で撮影します。痛みはなく、短時間で終了します。
※妊娠中、妊娠の可能性のある方は必ず事前にお知らせください。
呼吸機能検査は、喘息やCOPDなどの呼吸器疾患の診断・治療に欠かせない重要な検査です。当院では大学病院と同等の機器をそろえ、感染対策を徹底しながら安全・安心に検査を行っています。
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