高脂血症
高脂血症

高脂血症とは、血液中の脂質が異常に高い状態を指します。脂質には、コレステロールや中性脂肪などが含まれます。これらが過剰になると、血管の内側に脂質が沈着して動脈硬化を引き起こす原因となります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気のリスクが高まります。そのため、高脂血症は自覚症状がほとんどない「サイレントリスク」とも呼ばれています。
多くの場合、健康診断や人間ドックで初めて指摘されることが多く、早期に生活習慣の改善や必要に応じた治療を行うことが大切です。呼吸器疾患を抱えている方でも、血液中の脂質異常は全身の血流や血管の状態に影響するため、健康管理の一環として注意が必要です。
高脂血症は、血液中の脂質の種類によって分類されます。主な種類は以下の通りです。
高脂血症の原因は大きく分けて「生活習慣型」と「遺伝型」の2つがあります。
これらの生活習慣が長く続くことで、血液中の脂質が増加します。
多くの場合、自覚症状はほとんどありません。しかし、進行すると以下の症状が現れることがあります。
日常生活では症状がないことが多いため、定期的な健康診断や血液検査が非常に重要です。
血液検査によって以下の項目を測定し、診断を行います。
診断の際には、年齢、性別、既往歴、家族歴なども考慮されます。健康診断で異常値を指摘された場合、早めに専門医の診察を受けることが推奨されます。
高脂血症の治療は大きく分けて「生活習慣の改善」と「薬物療法」です。
食事療法
運動療法
減量
肥満の方は体重を5〜10%減らすだけでも血中脂質の改善に効果がある
飲酒制限
過度の飲酒は中性脂肪値を上昇させるため、節度ある飲酒が必要
薬物療法
スタチン、フィブラート、胆汁酸結合樹脂など、脂質異常の種類や患者さんの状態に応じて処方されます。定期的に血液検査を行い、効果や副作用を確認しながら治療を継続します
高脂血症は直接的に呼吸器疾患を引き起こすわけではありませんが、呼吸器疾患の症状や治療に間接的に影響を与える場合があります。
高脂血症は、日常生活の工夫によって予防することが可能です。
早期からの予防や管理により、将来的な心血管疾患や全身の健康リスクを大きく減らすことができます。
高脂血症は症状が少ないため放置されやすい病気ですが、放置すると重大な合併症を引き起こす可能性があります。定期的な血液検査、生活習慣の改善、必要に応じた薬物療法により、健康リスクを減らすことができます。呼吸器疾患の治療とあわせて、全身の健康を意識した管理が重要です。
高脂血症が気になる方は、当院の外来で血液検査や生活習慣改善のアドバイスについてご相談ください。
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