アレルギー検査について
アレルギー検査について

アレルギーとは、体の免疫システムが通常ではほとんど害のない物質(アレルゲン)に過剰に反応してしまう状態を指します。その結果、鼻水、くしゃみ、咳、湿疹、目のかゆみ、呼吸困難など、さまざまな症状が現れ、日常生活の質に大きな影響を与えます。アレルギーは主に次のような原因物質で引き起こされます。
症状の原因を特定するためにはアレルギー検査が役に立ちます。
アレルギー検査は、次のような目的で行われます。
アレルギー検査には大きく分けて血液検査と皮膚検査の2種類があります。それぞれに特徴があり、目的や症状に応じて使い分けられます。血液検査の利点は、体に直接アレルゲンを触れさせる必要がないため、安全性が高く小さなお子さんや皮膚に症状が出やすい方にも適しています。
※当院では現在皮膚によるアレルギー検査は行っておりません。
IgEは体内に侵入した異物(アレルゲン)に対して作られる抗体の1つです。体内の免疫システムが特定のアレルゲン(花粉、ダニ、食物、真菌など)に過剰に反応する際に関わる抗体で、IgEが増加するとアレルギー症状が引き起こされる可能性が高くなります。IgEは気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの疾患に深く関係していて、例えばスギ花粉に対してIgEが作られると、次のシーズンでスギ花粉にさらされた時に肥満細胞からヒスタミンなどが放出され、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどのアレルギー症状が現れます。
IgEを測定する方法には以下のものがあります。
血液中のtotalでのIgE値を測定する検査で、成人の基準値は170IU/ml以下です。アレルギー体質の方は一般的に総IgEが高い傾向にありますが、この検査だけでは原因アレルゲンを特定することはできません。総IgEの値は喘息やアトピー性皮膚炎の重症度の目安や、IgEに対する抗体製剤であるゾレアの投与量を決定するために用いられます。
特定のアレルゲンのみ(例:スギ花粉IgE、ダニIgEなど)を測定します。あらかじめ原因として疑われるアレルゲンを調べるのに適しています。ウサギを飼っているからウサギのIgEが陽性か調べる、などです。抗体の量はクラス0~6で評価され、一般的にクラス0を陰性、クラス1を弱陽性、クラス2以上を陽性と判定します。1度に最大で13項目まで調べることができます。
1回の採血で39種類のアレルゲンを同時に測定することができます。これは、花粉・ダニ・ハウスダスト・動物・食べ物など、代表的な39種類のアレルゲンを一度に調べられる血液検査です。「どんなものに反応しているのか」を大まかに把握するスクリーニングの役目があります。
※VIEW39の注意点
View39で陽性になったからと言って必ずしもアレルギー反応を起こすわけではありません。IgEが陽性であることを「感作」と言い、アレルゲン曝露により症状が誘発される可能性があることを示すのみで、実際に症状が出る「発症」とは違います。また逆に39項目全て陰性でも「アレルギーなし」と誤解してはいけません。もともと総IgE値が低かった場合は陽性になりづらいですし、局所でのアレルギー反応の可能性もあります。また、そもそも検査で測定できない抗原(アレルゲン)は数えきれないほどあります。さらに喘息患者さんに重要な一部の真菌などはView39には含まれていないため患者さんの病状によっては追加でアレルギー検査が必要になることもあります(表1)。
| タイプ | 主要アレルゲン | 追加候補アレルゲン |
|---|---|---|
| ダニ | ヤケヒョウヒダニ | コナヒョウヒダニ |
| 花粉 | スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ | ヒノキ、ハンノキ、ギョウギシバ、オオアワガエリ |
| 真菌 | アスペルギルス、アルテルナリア、トリコフィトン | ペニシリウム、カンジダ |
| 動物 | イヌ、ネコ | ウサギ、げっ歯類 |
| その他 | ゴキブリ、ガ | ユスリカ |
(喘息診療実践ガイドライン 2022, 一般社団法人日本喘息学会, 協和企画)
成人では総IgEの値と喘息の重症度に関連性はあまり認められませんが、真菌に対する特異的IgEを持っている患者さんは気道の炎症や過敏性が強く、喘息の重症度と関連します(Tanaka A et al. Respir Res;15:144, 2014)。一方、小児では総IgEが高いほど重症である傾向が認められ(Siroux V et al. Clin Exp Allergy:33:746-751, 2003)、また総IgEが350以上だと吸入ステロイド薬を定期的に吸入した方が喘息のコントロールが良好になります (Gerald JK et al. J Allergy Clin Immunol Pract; 3:540-546, 2015)。小児喘息ではダニが原因となることが圧倒的に多く、アレルゲンの回避が特に重要になります。舌下免疫療法と言う治療もありますので、喘息の方は必ずアレルギー検査を受けることをお勧めします。
皮膚にアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を少量接触させ、その反応(赤みや腫れ)を直接確認する検査です。皮膚テストでは、血液検査で項目が用意されていない食材や薬に対しても、実際にその物質を使って反応を調べることができます。また、皮膚テストは実際に体の中で起きているアレルギー反応を確認できる検査です。そのため、IgEの値を確認する血液検査よりも正確なアレルギーの評価が行えることが多い検査です。
例)果物や甲殻類(エビ・カニ)などは、血液検査では陰性でも、皮膚テストで陽性になることがあります。
当院では皮膚テストは行っていませんが、こうした検査が必要と判断された場合には、対応可能な医療機関をご紹介いたします。
疑わしい食べ物を少量ずつ実際に食べて症状が出るかを確認する検査です。食物アレルギーの確定診断に最も重要ですが、アレルギー反応が出る可能性が高いため入院設備のある医療機関で行われることが多いです。医師や看護師が安全に配慮しながら実施します。
当院では、アレルギーの原因を特定し、患者さん一人ひとりに合った生活指導や治療を行っています。まずは血液検査で幅広くアレルギーを確認し、その結果をもとに日常生活でのアレルゲン回避や適切な治療方針をご提案します。より詳しい検査や専門的な治療が必要な場合には、連携する医療機関へご紹介し安心して検査・治療が受けられるようサポートいたします。
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